OUTBACKで生まれたちょっといいお話集

就任2周年のサプライズで驚く準備をしておきます!笑

舞浜

OUTBACKER | JUMPEIさん
2024 Vol.10 Episode5

2023年10月某日、私が舞浜店の店長になり1年が経ちました。2023年を振り返ると、外出制限の緩和やマスク着用を個人の判断とするなど、約3年間に渡り我々を縛り付け、生活環境の変化を与えた感染症予防生活から以前の生活環境へと戻り始めた年でした。その環境の変化から我々の店舗でも、営業時間の変更や接客スタッフのマスク着用、ソーシャルディスタンの観点からテーブルの間隔、ご来店人数の制限など、ご来店いただけるお客様のことや一緒に働いてくれるスタッフのことなど、数多くの判断を迫られた年でした。
 店長になり1年といっても見習い期間もあり、まだ半人前で多くの人に支えられ、助けていただかなくては自身の仕事も追いつかないほどです。慣れない環境の中、自分自身の判断は誰かの不安を生み出していないだろうか?今日の決断が明日の足枷にならないだろうか?など、自身の決断に誤りはないかという不安と、間違いはないと自身を律する気持ちでいっぱいになりながらも、店長という役職を全うしようと必死でした。
 2022年の10月に就任し、半年が経った3月に一つの節目がやってきました。アウトバックで働いてくれるスタッフの多くは大学生や高校生であり、毎年3月末になると学校と同じように、卒業生の門出をお祝いする時期が来ます。毎年のことですが、その年ばかりは私が店長になって初めての卒業生であり、頼りにしていたベテランたちがいなくなってしまうことへの不安に、押し潰されそうになったことをはっきり覚えています。それでもお店の営業は次の日もその次の日も続いていくことでさらに必死になり、いつの間にか一人でひたすらに走り回っているかのような心境になったこともありました。
 さらに半年が経ち迎えたのは2023年10月某日。思いもよらぬ出来事がありました。営業も一段落し、閉店作業と明日の準備も終え、就業時間を迎えたスタッフへ声を掛け、私自身も帰りの準備をしようという時に、一人のスタッフに呼ばれホールに連れて行かれました。一日の営業を終えた安心感と疲れもあったので、全く何も考えずにされるがまま移動した私を待っていたのは、仕事を終え帰ったはずのスタッフや当日にはシフトに入っていなかったスタッフ、いつもは仕事を終えるとすぐに帰っていくキッチンのスタッフが、待ち構えていたかのように一斉に鳴らしたクラッカーの音でした。驚いたのも束の間、状況を掴めずにいる私に畳み掛けるように、「店長就任1年おめでとう!」と、みんなからのサプライズでした。その声を聞いて私はやっとみんなが自身を祝ってくれていることに気付き、その瞬間、くすぐったいような嬉しい気持ちと、気丈に振る舞っていたつもりでも驚いてしまったことへの恥ずかしさが込み上げてきました。サプライズが成功したことか、気持ちが伝わったことの嬉しさか、いつも以上に混じりっ気のないキラッキラした目で見てくるスタッフたちを見て、私の中にあった不安や心配な気持ちは払拭され、「今日までやってきてよかったー!」と大人気もなく歓喜しました。
 今になって思い返してみると、一人で走り回っている心境でいたのは、自分自身に自信が持てないことや、初めてのことばかりという不安が原因であっただけで、この物語を綴っている今でも私の近くには、人に喜んでもらえることが大好きで、共感ができで、一緒に喜ぶことができる、アウトバッカーに支えられていることに、気付けていなかっただけのことでした。この日は、時折顔を覗かせる独りよがりな私の考えを改める経験となりました。私を笑顔にしてくれたアウトバッカーたちの“人を喜ばせたい”という気持ちの手助けと、その成功を共に喜べること、挫けそうな時があれば手を差し伸べられるよう、そして、卒業していくスタッフたちを、今度はお客様としていつでもお迎えできるお店であるように、存続させていくことが私にできる恩返しだと確信し、今後も舞浜店の店長として邁進してまいります!そしてまた、あの日のキラッキラで嬉しさが溢れ出しそうな目が見られるよう、就任2周年のサプライズで驚く準備をしておきます!笑