たくさんのお客様と接してきて、数えきれないほどの思い出があります。
私がアウトバッカーの一員になり半年間で、たくさんのお客様と接してきて、数えきれないほどの思い出があります。その中でも一番印象に残っているのが、トレーニング後2日目のディナータイムにご来店くださった小さなお子様連れのご家族です。
まだ右も左も分からないのに、土曜日で忙しかったのを覚えています。覚えたてで穴だらけの接客だったと思いますが、なんとか必死にこなしていました。そのご家族はラテン系の言葉を話されているようで、数えていた数字がスペイン語のように聞こえました。当時、私は大学で第二外国語としてスペイン語を学び始めたところで、声を掛けようかどうかとても迷いましたが、次にテーブルにお伺いしたタイミングで、思い切って声を掛けました。結果はスペイン語ではなかったのですが、ラテン系であることは間違いなかったようで、そこからお客様との会話が弾みました。トレーニング初日に、アウトバックの精神と共に、このお店はお客様との接し方を自分で考えて工夫していく場所だ、とトレーナーの先輩から聞いていて、 ”自分もいつか出来るのかな。” とずっとワクワクしていました。そんな瞬間が2日目にしてもう訪れたのかと、それだけで胸がいっぱいになっていました。
そろそろお帰りの時間という頃でした。写真を撮ってほしい、とお願いされたのです。いつもだと、お料理が揃ったタイミングでご家族の記念写真を撮ることが多いので、違和感を覚えながらカメラを受け取ろうとすると、 「違うの。」 とおしゃいました。 「この子たちが、お姉さんと写真を撮りたいって。」 なんと、ご家族の集合写真のリクエストではなく、2人の娘さんと私とで写真を撮りたいとのことでした。信じられなくて、何度も聞き返してしまいました。 「私と?本当に?」 独り立ちして間もないこの日の写真を、スタートラインの記念として、私の手元に残しておきたいと思いましたが、もちろんお客様との連絡手段はありません。出来る事といえば、ずっと胸に留めておくこと、いつかまたお店に来てくださる日を待つことくらいです。ところが、しばらくしたある日、他のアウトバッカーから言われたのです。 「インターネットの口コミにHAZUKIが出てたよ。」 と。その日の夜、インターネットで調べると、確かに私が担当したテーブルで、楽しそうに食事をするご家族の写真と、最高評価の口コミがありました。こんな形であの日の写真を見ることが出来るとは思いませんでしたが、まるで当日のように、その日の事を思い出し、忘れられない記念になりました。
他にも、違うバイト先では到底考えられないような、お客様との素敵な出会いや思い出はたくさんあります。もうすぐお仕事で海外に行かれるので、 「その前にOUTBACKで旦那さんのお誕生日をお祝いしておきたい。」 とご来店くださったご夫婦。オーダーミスをしてしまったのに、 「誰でも最初はミスをするものだから大丈夫。」 と優しく励ましてくださったお客様。ご家族全員の誕生日をOUTBACKでお祝いするお客様。初めてのご来店で私のことを覚えてくださり、テーブル担当でなくてもお話をするようになったお客様。耳の不自由なお客様と筆談をかわしたメモ。全てが私にとって、明日もお店に立つための大きな存在です。
今の私はまだまだ至らないところばかりで、週末の忙しいときには焦りからよくミスをしてしまいます。大切なご縁が出来るお客様がいる一方で、どうしても手が回らず、思うように接客が出来なかったお客様もたくさんいらっしゃいます。同じミスを繰り返し、挫けそうになったことも何度もあります。それでも、素敵な思い出や、支えてくれるアウトバッカーのみんなや、店長、社員さんのおかげで、毎回立ち直り今日までやってくることが出来ました。これからは後輩もどんどん増えてくると思います。自分の仕事を確実なものにして、どんどん新しいポジションにも挑戦していきたいです。