OUTBACKで生まれたちょっといいお話集

この一年は“人の温かさ”をとても強く感じる年でした。

品川港南

OUTBACKER | MADOKAさん
2025 Vol.9 Episode5

 OUTBACKで働かせていただき、8年目になりました。毎年振り返るたび、今年は去年よりもっといい年だったなぁと感じます。この一年は“人の温かさ"をとても強く感じる年でした。コロナ禍を経て、徐々にお店に活気が戻り始め、たくさんのお客様と再会をすることが出来ました。なかなか気軽に外食が出来ない中で、“お店に来てほしい...!”と思っていても、何もすることが出来なくて、もどかしい思いをしていました。お店から離れてしまって、“もうお会いすることはできないのかな?”という気持ちを抱いていた頃、パッと当日の予約を見ると、よく来てくださった〇〇さんと同じ苗字がありました。私は ”その方だったらいいな〜。” と思いを巡らしていました。
 その日、賑わいが戻り始めた店内で一心不乱に働いてきた時、目に飛び込んできたのは、ずっとお会いできていなかったそのご夫婦でした。「お久しぶりです!お元気でしたか?」と声を掛けられ、私は“そうだったらいいのに!”と思っていたことが現実となり、唖然としました。一瞬、時が止まったように感じ、その後に、またお会いできた喜びが、沸々と沸いてきました。元気でお変わりなくお過ごしになられていたと伺い、心から安心したと同時に、以前までは日常的にできていた外食も、今では特別な出来事になっているんだなと感じました。それだけではありません。「入口からパッと見た時に、△△さんがいたので、ご飯は別のお店で食べてきたけど、会いたくて思わず入ってしまいました!」と声をかけていただきました。このご夫婦以外にも、約1年ぶりに再会をすることができたお客様や、毎年お子様のお誕誕生日に予約してくださるご家族様、私に「毎日でも会いたい!」とお子様がリクエストをしてくださって、5年以上通ってくださっているご家族様、結婚式の二次会を、OUTBACKのお店ではなく、私がいるからと選んでくださったご夫婦もいらっしゃいました。そして、ランチタイムの貴重な休憩中に、OUTBACKまで足を運んでくださり何気ない会話をすることが出来ること。これらのことに、とても喜びを感じました。
 私にはずっと小さな夢がありました。お客様だけではなく、これまでお店を支ええてくれて卒業していったアウトバッカーへ“何か恩返しをしたい!” ということです。今のお店が存続していられるのも、これまで卒業していった先輩がいてこそ、という教えが頭の中にずっとあり、 “いつかその人たちに会ってみたい!” と思っていました。そして、コロナ禍を乗り越えた今だからこそ“やってみよう!”と、半年以上前から計画していたことがありました。それは、還暦を迎えるアウトバッカーのお祝いも兼ねた、元アウトバッカーとの同窓会パーティです。私が発信した声掛けに、何と約60人もの人が集まってくださいました!それだけではなく、当日参加することが出来なかった皆さんが、別の日にお店に来てくださり、嬉しい時間が長く続きました。
 私の働くOUTBACKは、美味しいお料理を提供することはもちろんですが、人と人を繋ぎ、温かさや思いやりを提供するお仕事だと思っています。そんな素敵なお仕事を、もっとたくさんの方に味わってほしいと、いつも願っています。私の次の夢は、自身が得た感動体験を、他のアウトバッカーにも感じてもらうことです。OUTBACKのお仕事は決して楽ではありません。求められていることも非常に多くあります。そんな中でも、ただご飯を食べる場所を提供するのではなく、あの人に会いたいからご飯を食べに行く!という“人で選ばれるお店"として、私の想いをみんなに伝えていけたらと思います。